miritaire

初めて買ったのは、ドイツ軍ジャケットだった。それは高2の12月のこと。修学旅行で僕は沖縄に行った。那覇国際通りには「アメリカ屋」という店があって、そこでは米軍を中心とした軍隊放出品を販売している。前々から軍物に憧れがあった自分は、ドイツ軍のジャケットを買った。デザインそのものに惹かれて買ったとはいえ、さらに「こりゃいいわい」と思ったことには、めちゃめちゃ暖かかった。さすが軍物、実用的だなぁと思った。
高校三年になると、東京に出る用事がある場合には必ず軍物屋に足を運ぶようになった。ある時は上野の「中田商店」へ。またある時は大学のオープンキャンパスの帰りに横須賀のお店へ。それを繰り返しているうちに自分の周りには、少しずつ、そして確実に軍物は増えていった。
大学に入学し、関東に引越したら軍物に対する嗜好性はより強まっていった。夏になればドイツ軍やスウェーデン軍のシャツを着用し、秋になればスペイン軍のジャケットを身につける。そして冬になると、高校生の頃に買ったドイツ軍のジャケットや米軍のセーターなんかを着る。春になると、米軍のジャケットを着用。以上のようなサイクルを約4年間続けており、今後も続いていくと思う。
当然周りからはこんなことを言われる。「渡辺さんの服って、基本的にカーキですよね」「渡辺君って、普段はくすんだ色の服が多いから、スーツを着てるとすっごい新鮮」。そりゃ4年間も同じようなファッションを継続していれば、こういうことを言われるのも当然かもしれない。ただ自分としては、そのように言われても特に嫌ではない。
軍物を身につけるに当たって、一応こだわりというものがある。全身を軍物でコーディネートすると、あからさまに「軍物オタ」っぽいので、「ファッションに軍物を取り入れてますよ」という言い訳ができる程度を心がけている。だから、外出する場合も二品位上が軍物ということはほとんどない。大概一点にとどめている。
これだけだと、本当に年がら年中軍物しか着ているという印象を与えかねないので、一応フォローをば。軍物サイクルを4年間続けてきたと書いたが、その表現にはやや語弊があって、ある時期まったく軍物を買わなくなったことがあった。いわゆる「きれいめ」にはまり、買い物先は決まってマルイだった。その傾向は今でもまだあって、たまに軍物に飽きるとヤフオクを利用してマルイ系ブランドの洋服を購入する。
マルイユーザーになる時期というのは法則があるようで、春と秋になりやすい。その理由は自分でもよくわからないけど、とにかく春や秋には「きれいめ」になりやすい。その時期のみ、自分のコーディネートからは「緑」が消える。そして全体的に明るい色が増える。ピンクを基調にしたファッションにはまったこともあった。
なんか脈絡なく書き連ねたけど、結論としては今後も多分軍物は自分のコーディネートに加えられていくだろうなってことかな。今日も米軍のジャケット買ったくらいだし。そのジャケットとは、昨年の秋に下北で発見した第二次大戦モデルの海軍ジャケットなのだが、値段が実に三万円。こりゃ無理だ、手がでんわいと諦めていた。ところが、まったく同じモデルの商品をヤフオクで発見。しかも値段は5千円。その値段のまま落札することができ、今朝家に届いた。デザインもいいし、痛み具合もちょうどいいので、すごく気に入っている。多分これから5年は着続けると思う。