仏陀の掌

悟空は「俺は、世界の果てまでを知り尽くした」と信じ込んでいた。
しかし実際のところ、悟空はただ仏陀の掌の上を駆け回っていたに過ぎなかった。
その事実を知ったとき、悟空は絶望した。何もかもが空虚に感じられた。
落胆の日々は決して短くはなかったが、ある日、悟空は前を見つめながら言った。
「この世界から飛び出したい」
とうとう悟空は決意したのだ。仏陀の掌から脱出することを。
自分の今いるところが仏陀の掌でしかなかったという事実を知った以上、もはやここに残っているわけにはいかない。
「でも、どうやったら脱出できるんだ?」
悟空は悩んだ。脱出したいからといって、実際に実現できるものなのか、できるとしたらどうしたらいいのか?
そして一つの結論に達した。
仏陀という奴の正体を知れば、ここから抜け出せるはずだ。
仏陀と会いさえすれば、そう、相手の正体をつきとめることができさえすれば、きっとここから出る方法がわかるに違いない」
こうして、仏陀を目指して悟空は歩き出した。
to be continued.....